涙のパヴァーヌ

出典: 愛LoveJp提供 クラシック音楽の愉しみ方

ジョン・ダウランド 涙のパヴァーヌ(1563-1626 イギリス)

 ダウランドはイギリスを代表するリュート奏者で、1598年から1603年の間はデンマークの王であるクリスチャン4世のリュート奏者を務めました。

 リュートは現在のクラシック・ギターの元となった楽器で、東洋の琵琶に似ています。弦が6本しかないギターとは対象的に、沢山の弦があります。リュートの弦は一般に2本1組となっていて、その2本が同じ音高またはオクターブ違いの音程を奏でる構造のため、独特の響きがあります。

 ダウランドが活躍したルネッサンス後期以前はリュートは主に伴奏のための楽器でしたが、ダウンランドの時代になって、ようやくソロや二重奏のための楽器として使われるようになりました。とはいえ、伴奏楽器としての意味合いもまだ濃く残っていた時代で、ダウランドはリュートの伴奏による独唱曲も沢山残しています。

 日本では「涙のパバーヌ」として知られるこの曲は、原題は「Lagrima(涙)」といい、悲しみを表すモチーフが印象的な哀愁に満ちた曲です。彼が残した72曲のリュート作品のなかでも最も有名な曲であり、この時代の代表曲といっても過言ではありません。「パヴァーヌ」は舞曲の一種で、行列舞曲といわれる形態をとっており、16世紀の重要な宮廷音楽の一つです。その後、17世紀ドイツ舞曲が宮廷でのダウンスの主役になるまで、ヨーロッパ全域で広く愛されました。

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